2015年10月02日

講演会レポート

9月25日 日仏図書館情報学会
「もうひとつの書物文化 ルリユール」講演会
(東京製本倶楽部後援)


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当日はあいにくの雨模様でしたが、日仏会館ホールで催された講演会には93名の参加者がありました。
1980頃にフランス国立図書館から発売されたスライド集「80 Reliures françaises」の画像が、倶楽部会員・岡本幸治氏の解説によって紹介されました。
中世からルネサンス期の製本が多く、17世紀、18世紀の王のための製本、19世紀の版元製本から1970年代のモニク・マチウまで、時代に沿った製本をみることができる貴重な機会でした。
最後には氏が持参された様々な本を、手に取ってみることができ、そこではジャン・ド・ゴネ以降の現代製本も紹介されました。
館が閉まる9時半近くまで、多くの方が熱心に鑑賞しました。


(近藤)
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2015年04月24日

「アメリカのブックアートと製本の現在」交流会レポート

「アメリカのブックアートと製本の現在」交流会レポート
山崎曜

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「アメリカのブックアートと製本の現在」交流会
2015年4月8日(水)18:00〜20:00
日比谷図書文化館 セミナールームA室
講師:Jody Alexander
(ブックアーテイスト、図書館司書/Book Artist, Instruction & Reference Librarian at Cabrillo College Library)

(通訳 澤本佑子 )
参加者:12名


上記のようなタイトルで作品の写真を見せていただき、話していただきました。まずはアメリカでの本作りの拠点の紹介。

CBA The center for book arts
http://centerforbookarts.org/
アメリカで最初にできたブックセンター

MCBA Minnesota center for book arts
http://www.mnbookarts.org/

SFCB San francisco center for the book
https://sfcb.org/

North bennett street school
http://www.nbss.edu/
古典的な本作りを指導している。Jodyさんはボストン在住時にこの学校関係者から本作りを習った。

Guild of Book Workers
https://guildofbookworkers.org/
本関係の組織。特定の建物などはない。

CODEX Book Fair and Symposium
http://www.codexfoundation.org/about/the-foundation
今年は松永亨子さん、都筑晶絵さん達が参加したブックフェア。

■スライドショーはまずJodyさんご自身の作品。
古い作品から。箱に収められた本の背(とじ糸が露出しているものが多い)が並んでいる作品。
これは本は外せない、彫刻的作品とのこと。
http://www.jalexbooks.com/ZELDA.HTML

取り出せる本とセットのものもあったが、この本にも中身はない。
http://www.jalexbooks.com/MISSSOOK.HTML

インスタレーションRuby B.という架空の人物の部屋。たくさんの布の作品が並んでおり、本もある。その人物は本の作り方を自己流でやっているので糸の通り方がめちゃくちゃ、とか。他にも何人ものキャラクターがいるという。_
http://www.jalexbooks.com/RUBY.HTML

■質疑なども含めてJodyさんの話は以下のような内容でした。
・最新の作品は、大きいタピスリー状のもの。
これも含めて、図書館の司書の仕事を活用して廃棄される本を引き取り、その表紙をはがして、パッチワークの素材として使っている。廃棄されるのは1940年代、50年代のものが多い。

・Jodyの作品の本には基本的には中身はなく、見る人の想像をかきたてるように作る。

・普段司書をしているが主に学生向けのリファレンスの仕事なので、PC作業が多く、本に囲まれているが本にはあまり触らないため、本を手にして作品を作りたい。

・廃棄本を持ち帰ることができるのが利点。科学の本の面白いイラストやカバーの色が欲しくて持ち帰ることも。

・古色のあるものが好き。廃棄される本を利用するなどリサイクル的な考えもある。

・ブックアートに対しては一般のひとも理解はある。
注文を受けて製本家として作品を作るというよりは、アーティストとして作品を発表する方が多い
全てを自由に制作して良いと言われたら、注文も受けるかもしれない

・自身ではexposed binding(背に糸が露出している) を教えることが多い。

・製本は初めNorth Bennet Street Schoolで教えている先生に習い始めたが、いろいろな先生のワークショップに参加して学んだ。

■下記の作家の_作品写真を見せていただきました。
Pamela Spitzmueller
http://www.marylandprintmakers.org/images/content/newsletter/2005_03/spitzmueller.jpg
古典的な作りを、銅などの別の素材でやっている。

Melissa Jay Craig
http://www.melissajaycraig.com/
ほぼ耳が聞こえない方  大きな作品/紙も自作
糸の結び目を使って彼女の耳に聞こえる小さな音を抽象的にイメージした内容/口のイラスト
背バンドを彫刻的に作った作品も

Daniel Essig
http://danielessig.com/
木工もやる人。主に中が無地の作品を作っている。コレクターは外見を評価。dos a dos binding (_共有される表紙の両側に互い違いに_2冊の本がくっついてる)、コプト綴じが多い、tin typeの写真を使う

Shanna Leino
http://www.shannaleino.com/
骨を使った作品や道具

Macy Chadwick
http://www.macychadwick.com/artistsbooks/index.html
樹脂板やポショワールなどを使った美しいページ、ページに穴をあけ向こうが見える作り、複数のエディションを作る作家
糸を染織して結び目を作り本文にプリント←スコットランドの耳が聞こえない人の言語を表現

Erica Spitzer Rasmussen
http://ericaspitzerrasmussen.com/index.php/book-gallery/
編上げブーツの穴や腕輪、エリザベスカラーのような作品布を使用

Jacqueline Rush Lee
http://www.jacquelinerushlee.com/images/
USでは多くの人が古い本を使って作品を作ることが多い
古い本を湿らせてカリフォルニアロールのように円柱状に丸めた作品など

Brian Dettmer
http://briandettmer.com/
大きな百科事典などを使い彫刻のように彫って作製
先にどうするか決めるというより彫りながら決めていく

Candace Hicks
https://www.google.co.jp/search?q=Candace+Hicks+bookarts&es_sm=91&biw=1921&bih=1034&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=0gkvVeSKDeLlmAWbhoBQ&ved=0CAcQ_AUoAg&dpr=0.67
Composition Books アメリカの学生達にはポピュラーなノートをモチーフにした作品  _罫線も図も文字も、ステッチだけで作ったノート!

■ブックアートを扱っているギャラリーの紹介(下二つはブックアート専門のギャラリー)
SEAGER/GRAY GALLERY   http://www.seagergray.com/

23 SANDY GALLERY   http://www.23sandy.com/

abecedarian gallery    http://www.abecedariangallery.com/

■スライドショーのあと、参加のみなさんがお持ちくださった作品をJodyさん、パートナーのJonesさんと、みんなで触って見て楽しみました。

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2014年09月26日

皮革講演会 報告書

東京製本倶楽部イベント 報告書
皮革講演会「革のできるまでと各種革の特性」


日時…平成26年9月4日18時30分〜21時
場所…京橋区民館1号室
参加人数…29名(非会員も含む)
講師…宝山大喜氏(元東京都立皮革技術センター所長・専門技術指導員)
資料…DVD『皮革のできるまで〜皮から革へ なめしのメカニズム〜』
その他…講演者宝山氏への質問用紙とアンケートを配付


〈講演内容〉

【皮から革への工程】
DVD『皮革のできるまで〜皮から革へ なめしのメカニズム〜』を上映し製造工程を解説していただきながら原皮から革になるまでを学びました。

1. 鞣しの準備作業
・原皮(原皮の多くは塩蔵輸入されている)
・水洗い(塩抜き)
・裏打ち(肉などの除去)
・石灰・毛抜き(硫化素材などを使用)
・分割(厚みを整え銀面と床革をとる)
・脱灰・酵解(石灰の除去、残っているたんぱく質を酵素で分解)

2. 鞣す 
・クロム鞣し(多様性、耐熱性に優れていて靴などに使われる)/タンニン鞣し(底皮、ヌメ皮、ソフトヌメなど。工具のケース、ベルト)/混合鞣し(クロムの後にタンニンで再鞣しをする、和草履の底などに使用)などの方法で鞣す
・厚みを整える(裏削り・裏すき)
・再鞣し(クロムのあとに削ってからほかの鞣しをする)
・染色、加脂(下地染はドラムで染める。酸性染料を使う)
・水しぼり
・乾燥
・ステーキング(叩いて柔らかくする)
・張り乾燥
・仕上げ(磨く、加脂する)

3. 革の種類
・銀面(ヌバック、スエード、ベロア)・・・銀付
・床(床ベロア)…銀なし

4. 鞣しの準備作業
・原皮(原皮の多くは塩蔵輸入されている)
・水洗い(塩抜き)
・裏打ち(肉などの除去)
・石灰・毛抜き(硫化素材などを使用)
・分割(厚みを整え銀面と床革をとる)
・脱灰・酵解(石灰の除去、残っているたんぱく質を酵素で分解)

5. 鞣す 
・クロム鞣し(多様性、耐熱性に優れていて靴などに使われる)/タンニン鞣し(底皮、ヌメ皮、ソフトヌメなど。工具のケース、ベルト)/混合鞣し(クロムの後にタンニンで再鞣しをする、和草履の底などに使用)などの方法で鞣す
・厚みを整える(裏削り・裏すき)
・再鞣し(クロムのあとに削ってからほかの鞣しをする)
・染色、加脂(下地染はドラムで染める。酸性染料を使う)
・水しぼり
・乾燥
・ステーキング(叩いて柔らかくする)
・張り乾燥
・仕上げ(磨く、加脂する)

6. 革の種類
・銀面(ヌバック、スエード、ベロア)・・・銀付
・床(床ベロア)…銀なし


【革の特性等について】
以下の項目について詳しく講義していただきました

◎皮革の種類と特性:皮は生(毛皮は毛があるので皮)、革は鞣された状態のものをさす。  
◎革の組織的特性:銀面と床に分けられる。
◎コラーゲン分子から繊維束:コラーゲン分子が成長してコラーゲン繊維束に成長していき太くなって皮になっていく。これが天然皮革の特徴。きめの細かい繊維束になるほど強度は弱くなる。繊維束があるため通気性湿放性がよい。
◎皮革の断面図:表皮、乳頭層、網状層に分かれる。レザーとして必要なのは脂肪などを除いた真皮までである。
◎カーフスキンの繊維方向:背を中心に繊維が流れるので背に対象に取る。繊維に平行に引くと強い。 
◎靴用に適した部位:繊維が密の革は型崩れがしにくく靴用に適している。
◎革の部位の呼び名と原皮の傷:放牧牛には焼印や虫食い、糞尿やけの傷がある。
◎革の構造特性:成牛、豚:毛穴が貫通している、馬:全体に薄い・コードバン、羊:柔らかい羊毛タイプは弱い、山羊:羊に比べ固く銀面も凹凸がある、カンガルー:強度がある、など。
◎人工皮革:コンポジット、合成皮革、人工皮革、ビニールレザー
◎天然皮革と合成皮革との燃焼試験(燃焼カス):天然は燃えにくく植物鞣しのカスは白っぽい、クロムは緑色のカスがのこる。合皮は燃えやすい。
◎革の一般化学組成:クロムは耐熱性と染色性。タンニンは形の保持性に優れている。
◎種々の革の化学分析値
◎革の外観的性質:色調、銀面模様、しわしぼ、銀浮き、焼印などの傷をみる。
◎感触(風合い)的特性:柔軟性、腰弾力性、ふくらみ、ぬめりなどを評価する。 
◎各種鞣し革の熱収縮温度の比較
◎革中の水分量と熱変性温度 
◎革の耐熱性:乾いているときは強いが濡れていると弱い。濡れているときには熱を加えてはいけない。タンニンの方が縮む。  
◎天然皮革と合成皮革の吸放湿性の比較:天然は吸湿性があるので靴の中底などに使用される。
◎革の透湿度試験(JIS法):表面の加工によっては透湿性が落ちる。 
◎家具用からの溶出イオンと金属(パイプ)のサビの関係:塩素系をさける。 
◎乾燥剤によるダメージ(塩化カルシウムタイプ):塩化カルシウムタイプはたんぱく質を溶かすのでシリカゲル系を使う。  
◎鉄イオンとタンニン革の反応:万年筆などのインク(濃紺)は避ける。
◎長期保存による性状の変化:0〜5年までに劣化(伸び、引き裂き)が顕著になる。
◎長期保存による機械的性質の変化  
◎長期保存による革中の脂肪分の変化:繊維に結合している脂肪は経年で酸化して劣化していく。  
◎靴裏革の汗による性状変化:クロムは汗(酸性)に弱くはがれていく。
◎皮革特性の要因:タンパク素材で三次元構造である、部位により繊維の密度が異なる、種々な鞣し・再鞣しが施されている、低温で染色・加脂している、塗装前に色々な加工がされている、いろいろな塗装仕上げをしている。 などが皮革特性の要因といえる。


【参加者の感想】
・製造工程をわかりやすく話してくださったので勉強になりました。
・革の構造や特性の科学的な解説がよかった。
・盛りだくさんの内容だったので複数回の講義にしてほしかった。
・パワーポイントの配付資料も参考になった。
等々たくさんのご感想をいただきました。ご協力ありがとうございました。


以上   


安田由加利

平成26年9月16日


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2014年03月19日

フランス国際製本ビエンナーレの報告

第12回『フランス国際製本ビエンナーレ』の報告
12ème BIENNALE MONDIALE DE LA RELIURE D′ART
 

柴田有子

第12回『フランス国際製本ビエンナーレ』は、2013年9月25日(水)〜29日(日)、パリ郊外のSt.-Rémy-lès-Chevreuseサン・レミ・レ・シュヴルーズで開催された。ここはパリから約1時間、B4線の終着駅である。
端正な街並みと教会、牧場、美しい池、古城等、サン・レミ・レ・シュヴルーズは絵画のような町である。二年に一度、この行き届いた自然に囲まれた会場で、『フランス国際製本ビエンナーレ』が開催されている。

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第12回のテーマは、"Ľ Aiguille Creus" une aventure ď Arseine Lupin−モーリス・ルブラン著の“針の岩”(日本語タイトルは「奇岩城」)。アルセーヌ・ルパンの冒険の第1作目である。
出展者は、先ず会場入り口で主催者の方々と挨拶を交わし、名札を受け取る。奥のホールが展示室である。展示スペースでは、中央に広く受賞者の作品が並べられていた。受賞内容に別れ、設置された台の上
に作品が展示されている。それらを囲み、二段の棚が円陣を組むように配置され、全ての出展作品が国別に収められている。
この展示方法は、表紙のみならず見返しも自在に眺められて良い。天、小口、花ぎれに至るまで、様々な角度から心ゆくまま眺められる。参加者同士互いの作品を囲み、自由に技法等について話し合えた。
第12回ビエンナーレは、アルセーヌ・ルパンの知名度の故か、作品・来場者数も多く、熱が感じられた展覧会であった。作品表現のバリエーションも多彩であり、見応えがあった。

 展示スペースは大きな円形を型取り、傍らで「綴じ付け製本」の作業工程を紹介する映像と、その質問に応じる担当者が佇み、一方ではワークショップが開かれていた。ワークショップ講師は、Mme LUNA TORRES (MEXIQUE)。主に子どもたちを対象とした製本講座だが、大人も参加出来る。子どもたちの立派な仕上がりに驚かされる。
 展示室を出ると、イラストレーター・作家のコーナー、製本関係のショップが並ぶ。革関係、羊皮紙、マーブル紙、活字、その他材料が揃う。珍しい物、入手しにくい物はここで購入出来る。(私も原本になる古書を入手。)

この度の参加国は26カ国で、
ドイツ(8)、アルゼンチン(1)、オーストラリア(1)、オーストリア(2)、ベルギー(12)、ブラジル(2)、カナダ(4)、韓国(8)、スペイン(29)、エストニア(16)、フランス(131)、DOM-TOMフランス海外県(3)、イギリス(1)、ギリシャ(1)、イタリア(7)、日本(26)、リトアニア(2)、メキシコ(1)、オランダ(7)、プエルトリコ(1)、ポルトガル(4)、ロシア(1)、スウェーデン(1)、スイス(4)、ウクライナ(1)、アメリカ(3) 以上、277名の参加。

参加した学校・工房 はオランダ、フランス、日本、スペイン、ベルギー、韓国、ドイツからの10校で、アトリエ・EIKOとStaas und Universitätsbibliothek Bremen (ドイツ)2校が受賞。 

 会期午前中は会場の近くにマルシェ(市場)が立ち、入場者は自然を満喫しながら食事を取り、ゆっくり展示を鑑賞出来た。
 今回の祝宴は27日(金)の夜、近郊のオーベルジュ“le Relair de la Benerie”に移動して行われた。ジャズ演奏のもてなし、第12回のテーマに沿ったメニューでの会食、穏やかな歓談の一時であった。参加者の多くは車で帰宅されたが、我々はここに宿泊して、翌日会場に戻った。
28日(土)の夕刻は、表彰式である。
受賞者は、展覧会場から、表彰式会場にバスで移動。
この町のパブリックスペースの大ホールで行われた。巨大なスクリーンに受賞作品が次々と投影され、主催者からの合評がなされた。各作品の前で受賞者が舞台に呼ばれ、賞品と共に、更なる批評と賛辞を受け、応答する。一通りの受賞が終わり、主催者と受賞者との記念撮影が行われた。式典後、しばし歓談の時が設けられた。
合評を聞き、その審査基準として、以下のことが挙げられる。
著作の主題と全体に及ぶ美学の一貫性、調和、理解の質、用いた素材の創意、独創性、技術的な出来映え、等々。これらの全ての点が加算されて受賞の結果に至ること。

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18の賞に31人の受賞者 があり、アトリエ・EIKOが“学校賞”1等を受賞。
PRIX “INTER ECOLE” 1er PRIX JAPON ATERIER EIKO
中尾エイコ氏・中尾よしもり氏・中尾あむ氏・松前隆志氏・柴田有子、5名の優秀賞受賞者が出たことでアトリエ・EIKOが学校賞1位を頂きました。

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展覧会場を取り囲む豊かな自然は、さながらバルビゾン派の風景画である。一方で朝、昼、晩と美しく変化する光が景色に織り込まれる様は、印象派の誕生を思い浮かばせる。タペストリーのような重厚さである。
このビエンナーレの会長であるMme Anne Périssaguet を始め、審査員の多くは親しみやすい方々であったが、造詣に対する深い理解と自由な視点、本に対する愛情には多くを示されたように思う。選ばれた作品には、技術の高さと共に、Tableauを基本としている豊かな表現、深みを覚えた。
 今回のビエンナーレでは、一つとして被ることのない作品の数々に感銘を受けている。様々な国の多種多様な技法・表現を目の当たりにして、技術の高みを目指す事もさることながら、本の世界が持つ「深み」を辿る―そこに喜びを見いだした旅であった。

(しばたありこ)


受賞者の作品、詳細は主催者の以下のサイトでご覧いただけます。
http://www.biennales-reliure.org/
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2011年04月19日

震災被害の復旧活動/会員近況報告

2011/0416
大船渡発 会員通信  

近況を報告させていただきます。
先週より大船渡市・大船渡市社会福祉協議会の協力の下に、市役所や警察署に届けられた写真やアルバムをクリーニングしてご本人様にお返しするというボランティアを立ち上げました。
4日間で、10名の被災者の方に思い出の写真をお渡しする事ができました。

泥や重油にまみれた写真を見ると心が折れそうになります・・・
し尿やカビ等の悪臭がする中での作業は本当に皆さん見当もつかないと思います。
しかし、1枚1枚に”持ち主の方の手に渡りますように”と毎日協力してくださるボランティアさん達と
祈るような気持ちで心をこめて洗っております。
私の専門は古文書や書籍ではありますが、今は被災された市民のみなさんと共にありたいと思い
あえて専門外ではありますが、写真の方を優先しております。
落ち着いてきたら本業である書籍の方へ戻りたいと考えてります。
関係各所にもお願いはしているのですが、是非!!声をかけていただきたい!!
地元住民が地元の書籍の治療をおこなえない、立ち会えない・・・これほど!悲しい事はありません!
なんのために私がここにいるのか?!という事を声を大にして伝えたいのです。
(とは言っても大プロジェクトを受けられるほどの設備は無いですが・・・)
せめて気仙3市(大船渡、釜石、高田)については地元だと思っておりますので
なんとかしたい!!という想いは強いです。

写真洗いのボランティアについては
月〜金9:30〜16:00まで 大船渡市保健センターで行っております。
(土日は、自宅に届いている水害にあった写真を治しております)

私は元気です!!大船渡市の復興に向けて自分ができる事を精一杯頑張ってます!

金野 聡子
Kinno Satoko
Paper Conservator: Western Books and Manuscripts

022-0004 岩手県 大船渡市 猪川町
中井沢 47-3
Tel/Fax: 0192 27 6222
携帯 080-6505-5589
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