2015年04月24日

「アメリカのブックアートと製本の現在」交流会レポート

「アメリカのブックアートと製本の現在」交流会レポート
山崎曜

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「アメリカのブックアートと製本の現在」交流会
2015年4月8日(水)18:00〜20:00
日比谷図書文化館 セミナールームA室
講師:Jody Alexander
(ブックアーテイスト、図書館司書/Book Artist, Instruction & Reference Librarian at Cabrillo College Library)

(通訳 澤本佑子 )
参加者:12名


上記のようなタイトルで作品の写真を見せていただき、話していただきました。まずはアメリカでの本作りの拠点の紹介。

CBA The center for book arts
http://centerforbookarts.org/
アメリカで最初にできたブックセンター

MCBA Minnesota center for book arts
http://www.mnbookarts.org/

SFCB San francisco center for the book
https://sfcb.org/

North bennett street school
http://www.nbss.edu/
古典的な本作りを指導している。Jodyさんはボストン在住時にこの学校関係者から本作りを習った。

Guild of Book Workers
https://guildofbookworkers.org/
本関係の組織。特定の建物などはない。

CODEX Book Fair and Symposium
http://www.codexfoundation.org/about/the-foundation
今年は松永亨子さん、都筑晶絵さん達が参加したブックフェア。

■スライドショーはまずJodyさんご自身の作品。
古い作品から。箱に収められた本の背(とじ糸が露出しているものが多い)が並んでいる作品。
これは本は外せない、彫刻的作品とのこと。
http://www.jalexbooks.com/ZELDA.HTML

取り出せる本とセットのものもあったが、この本にも中身はない。
http://www.jalexbooks.com/MISSSOOK.HTML

インスタレーションRuby B.という架空の人物の部屋。たくさんの布の作品が並んでおり、本もある。その人物は本の作り方を自己流でやっているので糸の通り方がめちゃくちゃ、とか。他にも何人ものキャラクターがいるという。_
http://www.jalexbooks.com/RUBY.HTML

■質疑なども含めてJodyさんの話は以下のような内容でした。
・最新の作品は、大きいタピスリー状のもの。
これも含めて、図書館の司書の仕事を活用して廃棄される本を引き取り、その表紙をはがして、パッチワークの素材として使っている。廃棄されるのは1940年代、50年代のものが多い。

・Jodyの作品の本には基本的には中身はなく、見る人の想像をかきたてるように作る。

・普段司書をしているが主に学生向けのリファレンスの仕事なので、PC作業が多く、本に囲まれているが本にはあまり触らないため、本を手にして作品を作りたい。

・廃棄本を持ち帰ることができるのが利点。科学の本の面白いイラストやカバーの色が欲しくて持ち帰ることも。

・古色のあるものが好き。廃棄される本を利用するなどリサイクル的な考えもある。

・ブックアートに対しては一般のひとも理解はある。
注文を受けて製本家として作品を作るというよりは、アーティストとして作品を発表する方が多い
全てを自由に制作して良いと言われたら、注文も受けるかもしれない

・自身ではexposed binding(背に糸が露出している) を教えることが多い。

・製本は初めNorth Bennet Street Schoolで教えている先生に習い始めたが、いろいろな先生のワークショップに参加して学んだ。

■下記の作家の_作品写真を見せていただきました。
Pamela Spitzmueller
http://www.marylandprintmakers.org/images/content/newsletter/2005_03/spitzmueller.jpg
古典的な作りを、銅などの別の素材でやっている。

Melissa Jay Craig
http://www.melissajaycraig.com/
ほぼ耳が聞こえない方  大きな作品/紙も自作
糸の結び目を使って彼女の耳に聞こえる小さな音を抽象的にイメージした内容/口のイラスト
背バンドを彫刻的に作った作品も

Daniel Essig
http://danielessig.com/
木工もやる人。主に中が無地の作品を作っている。コレクターは外見を評価。dos a dos binding (_共有される表紙の両側に互い違いに_2冊の本がくっついてる)、コプト綴じが多い、tin typeの写真を使う

Shanna Leino
http://www.shannaleino.com/
骨を使った作品や道具

Macy Chadwick
http://www.macychadwick.com/artistsbooks/index.html
樹脂板やポショワールなどを使った美しいページ、ページに穴をあけ向こうが見える作り、複数のエディションを作る作家
糸を染織して結び目を作り本文にプリント←スコットランドの耳が聞こえない人の言語を表現

Erica Spitzer Rasmussen
http://ericaspitzerrasmussen.com/index.php/book-gallery/
編上げブーツの穴や腕輪、エリザベスカラーのような作品布を使用

Jacqueline Rush Lee
http://www.jacquelinerushlee.com/images/
USでは多くの人が古い本を使って作品を作ることが多い
古い本を湿らせてカリフォルニアロールのように円柱状に丸めた作品など

Brian Dettmer
http://briandettmer.com/
大きな百科事典などを使い彫刻のように彫って作製
先にどうするか決めるというより彫りながら決めていく

Candace Hicks
https://www.google.co.jp/search?q=Candace+Hicks+bookarts&es_sm=91&biw=1921&bih=1034&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=0gkvVeSKDeLlmAWbhoBQ&ved=0CAcQ_AUoAg&dpr=0.67
Composition Books アメリカの学生達にはポピュラーなノートをモチーフにした作品  _罫線も図も文字も、ステッチだけで作ったノート!

■ブックアートを扱っているギャラリーの紹介(下二つはブックアート専門のギャラリー)
SEAGER/GRAY GALLERY   http://www.seagergray.com/

23 SANDY GALLERY   http://www.23sandy.com/

abecedarian gallery    http://www.abecedariangallery.com/

■スライドショーのあと、参加のみなさんがお持ちくださった作品をJodyさん、パートナーのJonesさんと、みんなで触って見て楽しみました。

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posted by 東京製本倶楽部 at 15:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 活動記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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