2014年09月26日

皮革講演会 報告書

東京製本倶楽部イベント 報告書
皮革講演会「革のできるまでと各種革の特性」


日時…平成26年9月4日18時30分〜21時
場所…京橋区民館1号室
参加人数…29名(非会員も含む)
講師…宝山大喜氏(元東京都立皮革技術センター所長・専門技術指導員)
資料…DVD『皮革のできるまで〜皮から革へ なめしのメカニズム〜』
その他…講演者宝山氏への質問用紙とアンケートを配付


〈講演内容〉

【皮から革への工程】
DVD『皮革のできるまで〜皮から革へ なめしのメカニズム〜』を上映し製造工程を解説していただきながら原皮から革になるまでを学びました。

1. 鞣しの準備作業
・原皮(原皮の多くは塩蔵輸入されている)
・水洗い(塩抜き)
・裏打ち(肉などの除去)
・石灰・毛抜き(硫化素材などを使用)
・分割(厚みを整え銀面と床革をとる)
・脱灰・酵解(石灰の除去、残っているたんぱく質を酵素で分解)

2. 鞣す 
・クロム鞣し(多様性、耐熱性に優れていて靴などに使われる)/タンニン鞣し(底皮、ヌメ皮、ソフトヌメなど。工具のケース、ベルト)/混合鞣し(クロムの後にタンニンで再鞣しをする、和草履の底などに使用)などの方法で鞣す
・厚みを整える(裏削り・裏すき)
・再鞣し(クロムのあとに削ってからほかの鞣しをする)
・染色、加脂(下地染はドラムで染める。酸性染料を使う)
・水しぼり
・乾燥
・ステーキング(叩いて柔らかくする)
・張り乾燥
・仕上げ(磨く、加脂する)

3. 革の種類
・銀面(ヌバック、スエード、ベロア)・・・銀付
・床(床ベロア)…銀なし

4. 鞣しの準備作業
・原皮(原皮の多くは塩蔵輸入されている)
・水洗い(塩抜き)
・裏打ち(肉などの除去)
・石灰・毛抜き(硫化素材などを使用)
・分割(厚みを整え銀面と床革をとる)
・脱灰・酵解(石灰の除去、残っているたんぱく質を酵素で分解)

5. 鞣す 
・クロム鞣し(多様性、耐熱性に優れていて靴などに使われる)/タンニン鞣し(底皮、ヌメ皮、ソフトヌメなど。工具のケース、ベルト)/混合鞣し(クロムの後にタンニンで再鞣しをする、和草履の底などに使用)などの方法で鞣す
・厚みを整える(裏削り・裏すき)
・再鞣し(クロムのあとに削ってからほかの鞣しをする)
・染色、加脂(下地染はドラムで染める。酸性染料を使う)
・水しぼり
・乾燥
・ステーキング(叩いて柔らかくする)
・張り乾燥
・仕上げ(磨く、加脂する)

6. 革の種類
・銀面(ヌバック、スエード、ベロア)・・・銀付
・床(床ベロア)…銀なし


【革の特性等について】
以下の項目について詳しく講義していただきました

◎皮革の種類と特性:皮は生(毛皮は毛があるので皮)、革は鞣された状態のものをさす。  
◎革の組織的特性:銀面と床に分けられる。
◎コラーゲン分子から繊維束:コラーゲン分子が成長してコラーゲン繊維束に成長していき太くなって皮になっていく。これが天然皮革の特徴。きめの細かい繊維束になるほど強度は弱くなる。繊維束があるため通気性湿放性がよい。
◎皮革の断面図:表皮、乳頭層、網状層に分かれる。レザーとして必要なのは脂肪などを除いた真皮までである。
◎カーフスキンの繊維方向:背を中心に繊維が流れるので背に対象に取る。繊維に平行に引くと強い。 
◎靴用に適した部位:繊維が密の革は型崩れがしにくく靴用に適している。
◎革の部位の呼び名と原皮の傷:放牧牛には焼印や虫食い、糞尿やけの傷がある。
◎革の構造特性:成牛、豚:毛穴が貫通している、馬:全体に薄い・コードバン、羊:柔らかい羊毛タイプは弱い、山羊:羊に比べ固く銀面も凹凸がある、カンガルー:強度がある、など。
◎人工皮革:コンポジット、合成皮革、人工皮革、ビニールレザー
◎天然皮革と合成皮革との燃焼試験(燃焼カス):天然は燃えにくく植物鞣しのカスは白っぽい、クロムは緑色のカスがのこる。合皮は燃えやすい。
◎革の一般化学組成:クロムは耐熱性と染色性。タンニンは形の保持性に優れている。
◎種々の革の化学分析値
◎革の外観的性質:色調、銀面模様、しわしぼ、銀浮き、焼印などの傷をみる。
◎感触(風合い)的特性:柔軟性、腰弾力性、ふくらみ、ぬめりなどを評価する。 
◎各種鞣し革の熱収縮温度の比較
◎革中の水分量と熱変性温度 
◎革の耐熱性:乾いているときは強いが濡れていると弱い。濡れているときには熱を加えてはいけない。タンニンの方が縮む。  
◎天然皮革と合成皮革の吸放湿性の比較:天然は吸湿性があるので靴の中底などに使用される。
◎革の透湿度試験(JIS法):表面の加工によっては透湿性が落ちる。 
◎家具用からの溶出イオンと金属(パイプ)のサビの関係:塩素系をさける。 
◎乾燥剤によるダメージ(塩化カルシウムタイプ):塩化カルシウムタイプはたんぱく質を溶かすのでシリカゲル系を使う。  
◎鉄イオンとタンニン革の反応:万年筆などのインク(濃紺)は避ける。
◎長期保存による性状の変化:0〜5年までに劣化(伸び、引き裂き)が顕著になる。
◎長期保存による機械的性質の変化  
◎長期保存による革中の脂肪分の変化:繊維に結合している脂肪は経年で酸化して劣化していく。  
◎靴裏革の汗による性状変化:クロムは汗(酸性)に弱くはがれていく。
◎皮革特性の要因:タンパク素材で三次元構造である、部位により繊維の密度が異なる、種々な鞣し・再鞣しが施されている、低温で染色・加脂している、塗装前に色々な加工がされている、いろいろな塗装仕上げをしている。 などが皮革特性の要因といえる。


【参加者の感想】
・製造工程をわかりやすく話してくださったので勉強になりました。
・革の構造や特性の科学的な解説がよかった。
・盛りだくさんの内容だったので複数回の講義にしてほしかった。
・パワーポイントの配付資料も参考になった。
等々たくさんのご感想をいただきました。ご協力ありがとうございました。


以上   


安田由加利

平成26年9月16日


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