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 河出書房新社から、『豆本づくりのいろは』に引き続き、二冊目の「豆本の本」が出ました。『そのまま豆本』というタイトルのとおり、本を切り取ってそのまま豆本を作ることができるキット集です。 本好きは「本がなくなってしまう」と困った顔にもなるけれど、実物の本の展開図を見られ、しかも組み立てれば完成品になります。本から本が生まれる楽しみを、17種類ぶん、たっぷりと味わえます。

 初心者でも作れる本にしようと、綴じは中綴じ(三つ目綴じ)と和綴じのみで、シンプルに糸で綴じます。この他に折本が加わり、あとはデザインと中身でバリエーションを出しています。

 たとえば『いろはにほへと』は、明治時代の教科書から拾った木版文字と、描き下ろしのとてもかわいいイラストが一緒になった和綴じ豆本です。背表紙がつながっていて二方向から開くアートブック『 春の歌・秋の歌』の表紙には、古書店で購入した図案集から、和の伝統文様を取りました。中身は花の写真と「古今和歌集」。 他にもティーバッグ型フランス装豆本、丸いビスケット型折本、NASAの星雲写 真を使ったサイコロ型折本、ルドゥーテの花の画が入った継表紙風豆本、賢治の『やまなし』を上下巻で全文収録しスリップケースに収める豆文庫など。一番小さな本は7mm四方の清少納言『うつくしきもの』。豆本とはいえ、中身はしっかりと詰まっています。イラストを依頼したり、ふつうに本を作るのと同じような手間を一冊ずつにかけました。

 「豆本はせせこまくて美しいと思えない」とさる人から聞いたことがあります。そこで、本の版面はヤン・チヒョルトを参考に、見開きページの対角線に作図して余白を多く取り、本の縦横比は整数比や黄金比で美しいシルエットにしました。
 本を包む函も、スリップケース、筒型、夫婦箱型トランク、たとう、雲形帙のアレンジなど、さまざまな形のものをつけ、「簡単だけれど本格派の出来になる」ところを目指しました。


『そのまま豆本』2010年9月16日発売
ISBN 978-4-309-27206-1  1470円(本体価格1400円)
河出書房新社  http://www.kawade.co.jp/
赤井都  http://miyako.cool.ne.jp/kototsubo/

(赤井都)

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