10回目の今年は東京都現代美術館を会場として、約300組の出展者が集まったそうです。
だんだんと規模が大きくなって、カルチャーイベントというよりも商業イベント感が増してきたのかな、という印象でした。


手作り感が減ってきたというのか、個人の出展者でもキチンと製本業者さんが仕立てたような本が増え、以前はたまにあった、写真などの自分の作品を「とにかく本にしたいんです!」という勢いと情熱で手作りしちゃった感じの本が少なくなったのは、少々寂しい気もします。
そんな風にどのブースも「製本」という視点から見てしまうせいで、どうしても本の作りを先に見てしまい、出展者さんからすればアラ探しをしているような感じの悪いお客様に見えているかもしれません。。。
製本方法でいうと、2年前の前回は国内外を問わず和綴じの本が目についたのですが、今回はだいぶ減ったような気が。アートブックの製本方法にもブームがあるのでしょうか。
今回タバコ風の見た目の物を何点か見かけました。
新進のアーティストやリトルプレスなどが多く出展するZ Sectionに出展していたMADOという出展者さんは、若い女性の3人組で毎月1つのテーマで写真や詩を用いたZINE(ジン)を作っているそうです。今回は作品のサイズや喫茶店に置いてほしいなどの理由からタバコ風のパッケージに入れることにしたそうです。ご本人達も「3人とも吸わないんですけどね〜。」と言っているように世の中の禁煙の流れに逆行しているようですが、本・文学・タバコ・喫茶店というキーワードを並べてみると、なんとなくレトロへの憧れという感覚もあるのかもなんて、少し前のブログ記事「バット詩集」を思い浮かべつつ考えたのでありました。

最後に、今回の戦利品フィリップ・ワイズベッカーの作品集「HAND TOOLS」より、糊刷毛のページ。
きっと製本道具好きの方はキュンとくるに違いない。

(さ)