2019年07月15日

TOKYO ART BOOK FIAR 2019に行ってきました

湿気と本というのはあまり相性が良くはないというのもあってか雨の中行くのを少々迷いましたが、行けば結局半日楽しんでしまいました。
10回目の今年は東京都現代美術館を会場として、約300組の出展者が集まったそうです。
だんだんと規模が大きくなって、カルチャーイベントというよりも商業イベント感が増してきたのかな、という印象でした。

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手作り感が減ってきたというのか、個人の出展者でもキチンと製本業者さんが仕立てたような本が増え、以前はたまにあった、写真などの自分の作品を「とにかく本にしたいんです!」という勢いと情熱で手作りしちゃった感じの本が少なくなったのは、少々寂しい気もします。

そんな風にどのブースも「製本」という視点から見てしまうせいで、どうしても本の作りを先に見てしまい、出展者さんからすればアラ探しをしているような感じの悪いお客様に見えているかもしれません。。。

製本方法でいうと、2年前の前回は国内外を問わず和綴じの本が目についたのですが、今回はだいぶ減ったような気が。アートブックの製本方法にもブームがあるのでしょうか。

今回タバコ風の見た目の物を何点か見かけました。
新進のアーティストやリトルプレスなどが多く出展するZ Sectionに出展していたMADOという出展者さんは、若い女性の3人組で毎月1つのテーマで写真や詩を用いたZINE(ジン)を作っているそうです。今回は作品のサイズや喫茶店に置いてほしいなどの理由からタバコ風のパッケージに入れることにしたそうです。ご本人達も「3人とも吸わないんですけどね〜。」と言っているように世の中の禁煙の流れに逆行しているようですが、本・文学・タバコ・喫茶店というキーワードを並べてみると、なんとなくレトロへの憧れという感覚もあるのかもなんて、少し前のブログ記事「バット詩集」を思い浮かべつつ考えたのでありました。

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最後に、今回の戦利品フィリップ・ワイズベッカーの作品集「HAND TOOLS」より、糊刷毛のページ。
きっと製本道具好きの方はキュンとくるに違いない。
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(さ)
posted by 製本部 at 17:55| Comment(1) | event | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月02日

映画『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』

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『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』を観てきました。http://moviola.jp/nypl/
失礼ながら、こんなコアな映画お客さん入るのかしらと思っていたのですが(フレデリック・ワイズマン監督、岩波ホールさん、本当にごめんなさい)、映画の日にお得に見ようと思ったら当日券完売で泣く泣く退散。リベンジで次の日に30分並んで無事に席に着くことができました。見事に満席。

さて、内容ですが、ニューヨーク公共図書館で働く人々、講演などに招かれる作家や学者・アーティストなど、そして利用する人々の姿を追ったドキュメンタリーです。宣伝文句にもあるように、こんなことまで図書館の仕事としてやっているんだ!という驚きも多々ありました。(以下、ネタバレあり)

図書館はもちろん誰もが利用できる場所ですが、地域のすべての人に平等に情報をというだけではなく、情報を得る方法の指導や環境の整備まで考えて実践し、こうした地域への貢献を行政に訴えて予算獲得に積極的に動いている姿勢が印象的でした。

また、予算を出すニューヨーク市が図書館に求めていることと、図書館がやるべきこと・やっていること・やりたいことをどう擦り合わせていくか、重ねて議論されていました。

本はもちろん、写真や印刷物のコレクションやそれらの資料に対する職員の情熱も描かれています。そして、面白そうな講演会やイベントの数々。私もその一人ですが、おそらくこの映画を見た人が誰もが「行ってみたい」と思ったのではないでしょうか。

こうした海外の素晴らしい施設が紹介されると、とかく「日本は…」と批判的に言ってしまいがちですが、比較対象として捉えるよりも純粋にドキュメンタリーとして面白かったです。もちろん日本の図書館で頑張ってくださっている皆さんにとって、これからの図書館をより良くしていくヒントがいっぱいだと思います。

東京でもまだこれから上映開始の館がありますし、北海道から沖縄まで全国で公開されますので、ご興味のある方はご覧になってみてはいかがでしょう。ただし、上映時間は3時間半です!お尻痛くなります!

(さ)
posted by 製本部 at 23:49| Comment(0) | No Category | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月07日

バット詩集のこと

詩人の石原亮という人が昭和4年に発行した、「バット詩集」という
200とか300とかの極少部数の、私家版のような本があります。
ゴールデンバット(たばこ)の包み紙に詩を印刷したものらしいけれど、
どのように仕立てられたのか体裁は謎、ネットで探してもほとんど情報が出てこないので、
ずっと長い間、幻の本でした。


たばこの包み紙ってことは、もしかして手作り?などと
想像を膨らませていたんですが、最近になってふと思い出してネット検索をしてみたところ
古書店がアップした画像がヒット、ようやく体裁が明らかになったんですが…


ゴールデンバットの包み紙というのは私の勘違いで、
本当は、箱(包みでなく当時は箱だった)の中に入っている白い紙に印刷したんだそうです。
たぶん綴じてはおらず、トランプみたいにバラで、ゴールデンバットサイズの箱に収められていたようでした。


石原亮という詩人、たぶん有名ではないと思いますが
「二行詩」の作品を多く書き、またそれを広めようとした人物だったようです。
この人の二行詩集「鳥の思想」は10年くらい前に見つけて買いましたが、
他にこの人の本を見かけることはほとんどありません。


しかし、包み紙で本にするなんて(していたら)ちょっと面白いし、たばこサイズというのもいい。
実物は私の想像よりフツーでしたが、たばこ紙とか、お菓子の包装紙なんかで本を仕立ててみるのもいいかもです。


ちょっとそれますけど、戦時下のロシアでこっそり作られていた「骸骨レコード」みたいに
物資不足のためにリサイクルで作った本、なんていうのがあるんでしょうか。


ご存知の方がいらしたら、ぜひ情報を…

(柚本)


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posted by 製本部 at 16:54| Comment(0) | No Category | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月30日

TOKYO ART BOOK FAIR 2019

TOKYO ART BOOK FAIR 2019が開催されます。
会期:2019年7月12日(金)− 7月15日(月祝)
会場:東京都現代美術館(東京都江東区三好4-1-1)
https://tokyoartbookfair.com/

出展作家などの情報はこれから随時アップされていくので、時々チェックしようと思います。

行くと毎回、買いすぎ注意を自分に言い聞かせながらも数時間入り浸ってしまいます。。。
写真は2015年と2017年に購入したもの。並べてみると、自分が惹かれる系統が分かりますね。

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2017年の開催時は入場規制が問題になって急遽事前予約や整理券が必要になったりしてゴタついていましたが、今回はスムーズな運営を期待してます!

(さ)
posted by 製本部 at 23:15| Comment(0) | event | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月26日

西尾市岩瀬文庫のこと

全国には、魅力的な図書館や資料館、文書館がたくさんあります。
それぞれに、面白そうな企画展や情報発信をされているので、本好きとしては、興味がつきませんが、ここ数年、是非行ってみたい〜〜!!と思い続けている所があります。
それは、愛知県西尾市にある『西尾市岩瀬文庫』です。
未だ機会を得ず・・・・ではありますが・・・

西尾市岩瀬文庫
https://iwasebunko.jp

西尾市岩瀬文庫は、明治41年に西尾市の実業家である岩瀬弥助が創設した私立図書館で、平成15年、日本初の「古書ミュージアム」としてリニューアルし、平成20年には創立100周年を迎えられたそうです。

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西尾市岩瀬文庫では、重要文化財を含む古典籍から、近代の実用書まで8万冊あまりの蔵書が保存・公開されています。

昨年、「岩瀬文庫図書目録」を入手しました。
なにかにつけて、この目録を開く事がありますが、その蔵書の充実ぶりには目を見張るものがあります。

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HPを拝見すると、岩瀬文庫の蔵書は、そのほとんどが江戸時代以前の和本で、あらゆる分野の本がそろえられており、特に本草書の所蔵は4,000冊を超えるそうです。また明治から昭和初期に出版された実用書も多く現在では、入手困難な書籍も多々所蔵されているようです。

目録で、書名を追っていると『この本何が書かれるのだろう〜〜?』と思うことがしばしば。
例えば
『貝殻断面図案』平瀬與一郎(1913)
『江戸流行 菓子話船橋』船橋屋織江(1841)
『像のみつき』中村平吾(1729)
など。。。。。微妙に興味をそそられませんか?

一般には、古文書や典籍等を収蔵する史資料保存機関での閲覧は、ハードルが高く感じられることもしばしばですが、HPには「西尾市岩瀬文庫 古典籍書誌データベース」があり、書籍の内容にまで踏み込んだ書誌データが公開されています。
書籍名がわからなくても資料名一覧の「タイトル」から、その書籍がどのような内容か知ることもできるので、余り馴染みのない分野の書籍とも新たな出会いがあるかもしれません。

西尾市岩瀬文庫のHPを眺めながら、思いをつのらせています。


(T)
posted by 製本部 at 01:56| Comment(0) | No Category | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする